所属する法政大学サステイナビリティ研究所の学術誌に寄稿した特集論文が公刊されました.図書館などへの配架はもう少し先になりますが,全文を研究所HPでご覧頂けます.
- 松尾隆佑 [2017] 「原発事故被災地の再生と中間貯蔵施設――民主的合意の形成へ向けて」『サステイナビリティ研究』7: 23-43.
- 1 はじめに――土地と結びついた人間の復興
- 2 政策枠組みの検討
- 2.1 汚染廃棄物の処理枠組み
- 2.2 中間貯蔵施設の建設計画
- 3 問題構造の分析
- 3.1 被災者の分断と広義の加害
- 3.2 不信を強化する不透明性
- 3.3 技術的合理性の偏重
- 3.4 責任主体の曖昧さと当事者意識の持ちにくさ
- 4 民主的合意の形成へ向けて
- 4.1 多段階プロセスと広域協議
- 4.2 環境安全委員会の活用
- 5 おわりに
内容としては,2016年2月に研究所の主催する公開研究会で行なった報告をもとに,その後の動きなどをフォローしながら論文化したものです.民主的な合意形成の条件を探るというかたちでデモクラシー理論からの問題意識は多少感じ取れると思いますが,テーマとしては完全に環境社会学で,分析視角なども舩橋先生の議論に多くを負っているので,見よう見まねで書いてみたという印象は拭えないでしょうか.
ただ現在進行形の重要な課題を扱っておりますので,ぜひご一読頂けると幸いです.今後も関連するテーマで学会報告などを行なう予定があり,そちらではやはり見よう見まねで政策過程分析のようなことも試みるつもりです.
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