著者の源島さんからご恵送頂きました.ありがとうございます.
ブレア政権下での社会的包摂の理念がなぜワークフェア政策へと帰結したのかを,戦後イギリスの「就労規範」に着目して解き明かそうとするもので,アイデアの政治のアプローチによる最新の研究成果かと思います.
源島さんとは同時期に法政へ入学した間柄ですので(修士課程か博士課程かの違いはありましたが),筑波に進学されてからも着実に研究を進められていることに感慨深く拝読しました.
- 源島穣 [2015] 「イギリス福祉国家改革における社会的包摂の論理」『国際公共政策論集』35: 51-67.
- はじめに
- 第一章 社会的排除/包摂に関する議論
- 第二章 労働党の社会的包摂政策
- 第三章 ベヴァリッジ報告が提出した就労規範
- (1)ベヴァリッジによる福祉国家――福祉「国家」と「個人」
- (2)福祉国家の危機の時期――福祉「国家」と「個人」の関係の継続
- 第四章 イギリスにおける社会的排除の言説状況
- (1)排除に対する「当事者」の視点
- (2)福祉「国家」から福祉「社会」へ
- 第五章 完全雇用を取り戻す――「福祉社会」と「個人」
- 結論と含意